第7章 電磁誘導の法 - University of Electro-Communications パラドックスを考える 電磁気学の根幹を支える法則の一つに電磁誘導の法則がある。法則だからあくまで経験則であってその法則が正しいことを証明できる人は誰もいない。例外がないから我々はそれが自然界のなせる業と信じて受け入れているだけである。でも、そこにどのようなからくりがあるかについては、思考を巡らすことによって理解を深めることができる。本章では、電磁誘導による磁界中の起電力発生メカニズムについて、場の物理量(E, B)で表されるマクスウェルの方程式と、ファラデーが提唱した磁力線切断則の両面から、何が導線に作用して� るかを考えてみたい。それを踏まえ、電磁誘導の一形態である単極誘導について、ファラデーのパラドックスと呼ばれる